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連載「記者、ハンターになる」#02

 2023年10月下旬、北海道が開催する狩猟免許試験に申し込み、数日後のことだった。

 「狩猟免許試験について、厳正なる抽選の結果、【落選】となりましたのでお知らせいたします」

 道の担当課から届いた一通のメールは、記者の私(当時25)が受験できないことを告げていた。

 試験は各都道府県が主体となって実施される。実施方法や日程は知事による告示で定められ、北海道では応募多数の場合は抽選で受験資格の可否が決まる仕組みだった。

 「まさかスタートラインにも立てないなんて……」

 この年は入社3年目。福岡から北海道に赴任した。札幌市の中心部で、ヒグマが出没したニュースを取材し、人間と野生動物の共存に関心を持った。

 「人間と野生動物の関係は、将来の日本社会において一筋縄では解決しない重要なテーマかもしれない」

 一方で、動物駆除は民間のハンターに依存せざるをえない。ハンターの現場の課題は何か。より深く知りたいと、狩猟免許試験の受験を決めた。

■救済策で繰り上げ受験が可能…

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